「ロードバイクの安いのを通販で買っても問題ない?」
「安いロードバイクがダメと言われるのはなぜ?」
「ロードバイクにも正規品ってあるの?安いものとの違いは?」
ソーシャルディスタンスを気にせず運動ができ、ママチャリよりも快適なロードバイクを手に入れる人が一気に増加しました。
ロードバイクは装備も含めると初期費用がかかるため、まずは安いロードバイクでデビューしたいと思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ロードバイクの安いのはダメだと言われる理由や、正規品とは何か、安い通販品について紹介します。
一般的なロードバイクと安いものの違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ロードバイクの安いのはダメ!その理由
ルック車を否定するつもりは微塵もないけど
ルック車という自覚を持ってルック車にのるべきだと思うルック車をロードバイクやMTBと同じ感覚で乗るのは自殺行為に等しい
特に安いブレーキは本当に効かない pic.twitter.com/7IcthLdosU— ふはい (@anotherdaybegi) July 21, 2019
「なんでそんなに高いの?」と驚かれるほど、ロードバイクの値段は高いものが目につきます。
車輪が二つ、ハンドルにサドル、ひし形フレームと見た目は似ているのに、「安いのはダメ!」というローディーは意外に多いのです。
ロードバイクの安いのはダメだと言われる理由について見ていきましょう。
素材の剛性の違い
安いロードバイクのフレームはアルミ製が主流ですが、正しくは「アルミ合金」製で、混ぜられている金属により性質が異なります。
1円硬貨に使われているアルミ100%の「純アルミ」は、やわらかく加工しやすいのですが、強度に欠けるという弱点があり、ロードバイクのフレーム素材にはほぼ使われません。
現在のアルミフレームには「6000番台」と呼ばれる合金番号が主流です。
カーボンフレームが一般的になる前は「7000番台」がハイエンドモデルに採用されていましたが、最近はほとんど見かけません。
・7000番台:アルミニウム+マグネシウム+亜鉛。アルミ合金で最も軽く丈夫で、航空機にも使われる。
アルミフレームには合金番号が記載されていることが多く、6000番台、7000番台であれば、安心して乗れる素材だと言えるでしょう。
安いモデルで合金番号が3000~4000番台の場合は、強度が低い可能性があります。
よく見きわめて購入しましょう。
ロード用でないパーツがついていることも
ロードバイクはフレームの他にもコンポやブレーキ、ホイールの性能によって走りに大きな差が出る乗り物です。
特にコンポとブレーキはプロ仕様のものから初心者用まで各メーカー数種類のブランドを展開しており、数十倍もの価格差のものも存在します。
趣味で乗るには最高峰のパーツは不要ですが、ロードバイクは時速40km/hを超えて走行することも珍しくなく、あまりに粗悪なものでは危険です。
ブレーキは近年主流のディスクタイプか、リムブレーキがついていることを確認しましょう。
安いロードバイクには性能不足のブレーキがついていることもあり、いざという時に止まりきれない可能性もあります。
操作感が重い
ロードバイクの車体は軽い方が有利だと言われています。
プロ選手が使っているバイクは6kg台が主流で、これは一般的なシティサイクルの半分以下の重量です。
市販のエントリー向けアルミフレームの場合、完成車で9kg台のものをよく見かけます。
クロモリフレームの場合は少し重く、10kg台が一般的だと言われています。
極端に安いロードバイクではスチールなどの重い素材が使われていることもあり、見た目では区別がつきにくいため注意が必要です。
12kgを超えているものはロードバイクとしてはかなり重く、軽やかな走りは期待できないでしょう。
耐久性がない
ハイエンドモデルではカーボン、安いモデルではアルミフレームが主流ですが、素材そのものはいずれも安全性に問題はありません。
問題となるのは「フレームの溶接方法」です。
カーボンフレームの場合は型にカーボン素材をはめ込んで製造するため、溶接はされていません。
一方、アルミフレームでは継ぎ目が溶接されており、溶接の品質が悪いと、早くにフレームが劣化したり、亀裂が入って力が逃げ、最悪の場合は走行不能になることもあるのです。
安いメーカーの場合は、溶接の仕上げが雑なことが多く、溶接部分が大きく盛り上がっているものも見かけます。
溶接の良し悪しは見た目ではわからないことも多いため、安いものは避けた方がよいと言われるようになったのでしょう。
保証がない場合も
大手バイクメーカーの直営店やスポーツバイク専門ショップでは、独自の保証システムを持ち、手厚いサービスを提供している場合もあります。
購入後1年程度の補償の他、チェーンなどのメンテナンスのサービスが一般的ですが、通販サイトなどで売っている安いロードバイクの場合は、保証がないことも珍しくありません。
自分に過失がなくても、ロードバイクは意外なところが壊れる場合があるため、購入時には補償の有無やその内容をしっかり確認しておきましょう。
ロードバイクの安いのと正規品を比較
【固定用】
山口県でロードバイク乗ってます!
ルック車だから遅いという概念を覆したいと思っています!エンカしてくださる方よろしくお願いいたします🙏 pic.twitter.com/55MNvM97Rd— ao CAAD10 (@Watanaberoad) November 9, 2020
よく言われる「安いロードバイク」には、主に大手スポーツバイクブランドが出しているエントリーモデルと、ネット通販でよく見かけるノーブランド品の2種類があります。
これらは一見同じように見えますが、細かいところは全くと言っていいほど別物なのです。
どのような点が違うのか、パーツごとに比較していきましょう。
フレーム
メーカー品のロードバイクの材質はカーボン、アルミ、クロモリなどの軽い素材が主流です。
一方、ノーブランド品ではスチール製が多く、重量もメーカー品に比べて重い傾向にあります。
また「フレームの太さと重量は比例しない」ことに注意しましょう。
近年はロードバイクのフレームは太く、楕円形になる傾向にありますが、ノーブランド品では細く、丸いパイプ状のクラシックタイプのものを見かけます。
フレームが細いため軽く見えますが、鉄製なので重いです。
見た目で判断しないように気をつけてくださいね。
ブレーキ
ロードバイクはスピードが出るため、ブレーキ性能はとても大切です。
現在ではディスクブレーキが主流ですが、一昔前まではリムブレーキと呼ばれる、ホイールリムを両側からブレーキシューで挟み込んで止まるものが一般的でした。
リムブレーキにも種類があり、ロードバイクでは「キャリパーブレーキ」がほとんどです。
その他には「Vブレーキ」「カンチブレーキ」がありますが、これらは無名メーカーの安いロードバイクについています。
Vブレーキはクロスバイクやマウンテンバイクで採用されており、制動力は強いがロードバイクには不向きだというのが通説です。
また、カンチブレーキは設計が古く、現在はほとんど採用されていないことから、これらが採用されている安いロードバイクは避けるのが無難でしょう。
ホイール
「完成車のコストを下げるには、ホイールのグレードを下げればよい」といわれるほど、ホイールは価格差の大きいパーツだと言われています。
安いホイールは鉄製で重く、ハブの回転が鈍いため、走りが重いと感じることもあるでしょう。
一方、ハイグレードのホイールではカーボンリムを採用するなど、高価で軽いパーツが使われています。
見た目でわかりやすいのは前輪の固定方法です。
ロードバイクではクイックレバーという、工具不要でホイールを脱着できるタイプがついていますが、安いロードバイクではボルトとナットで固定されているものがあります。
クイックレバー式でないものの購入は避けましょう。
ホイールの良し悪しの判別は難しいものですが、実車を見る場合にはブランドを確認したり、ホイールを手で回して軽く回転するかを確認してみてください。
コンポーネント
ロードバイクを買う時に、フレームの次に気になるのがコンポーネント(コンポ)ではないでしょうか。
コンポとは、自転車を動かすためのギアやクランク、ブレーキシステム一式のことで、日本ではシマノ製が有名です。
ロードバイク専用のコンポセットは各メーカーから数種類のグレードが販売され、シマノの「DURA-ACE」シリーズは海外のプロレーシングチームでも多く採用されています。
安いロードバイクでは、コンポは無名メーカー、または有名メーカーのママチャリ向けのノーブランドが使われており、高負荷のロードバイクには耐えられずに破損することもあります。
日本ではシマノ製が採用されていることが多いですが、ロードバイクであればエントリーモデルと言われているClaris(クラリス)以上のコンポがついているものがおすすめです。
ロードバイクの安いものの代わりにルック車は?
安いロードバイクの中には「ルック車」と呼ばれるものが存在します。
大手メーカーのエントリーモデルよりも安い価格であることが多く、見た目もスポーティーなルック車ですが、本来のロードバイクとどのような違いがあるのかを押さえておきましょう。
一般のロードバイクとの違い
海外のネット通販サイトなどで見かけるルック車ですが、一般のロードバイクとの違いはこんな感じです。
・フレームサイズが1種類しかない
・ついているパーツが無名メーカー
・パステルカラーなどの派手なホイールやタイヤがついている
・フロントギアが1枚、または3枚のものがある
ドロップハンドルがついているものの、フレームはロードの設計と異なっていたり、安いクロスバイクを元にハンドルを付け変えてロードバイク風にしているものが見受けられます。
中には安全基準を満たしていないものもあるので、よほど自信がない限りは手を出さないのが無難です。
ルック車でも問題ない使い方
スポーツ走行には不向きとされるルック車ですが、ママチャリの代わりとして通勤通学などの日常で使う分には問題ないでしょう。
また、ロードバイクは「高額なのに盗みやすい」ものの代表格とも言われ、少し目を離すと盗難に遭うという残念な実情があります。
有名バイクメーカーややコンポがついている者は特に盗まれやすいのですが、幸か不幸かルック車の場合は盗まれるリスクは下がります。
盗まれないように気を配ることが大切ですが、人目につく場所に止める機会が多い場合は、ルック車の購入もアリでしょう。
ロードバイクの安いのはダメ!その理由のまとめ
ロードバイクの安いものはなぜダメだと言われるのか、ハイエンドモデルとの違いやルック車とは何か、安いロードバイクでも問題ない使い方について紹介しました。
自転車は免許不要で楽しめ、少ない予算でも購入できる乗り物ですが、極端に安いものは破損やケガの危険性もあります。
安い=ダメとは限らず、自分のライフスタイルに合ったものが、その人にとっての良き相棒となるでしょう。
長くロードバイクと付き合うためにもできるだけ実車を見て触って、お気に入りを探してみてくださいね。