「ロードバイクって、みんなどうしてあんなに速く走れるの?」
「頑張って漕いでいるのに、全然スピードが出ないし、すぐ疲れてしまう」
「初心者がロードバイクに乗る時は、どれくらいの速度を目標にすればいいの?」
自転車の中でも最もスピードが出ると言われるロードバイクですが、初心者のうちは思うように速度が出なかったり、体中が痛くなってしまうということもあるでしょう。
この記事では、ロードバイク初心者が目標にするとよい速度の目安や、スムーズに走るためのコツを紹介します。
速度が出ない原因やその対処方法も紹介しますので、参考にしてください。
ロードバイク初心者の速度目安
過去画。トライアスロンレースにて。カメラマンさんの腕の良さに助けられ、ノロノロ運転でもそれなりにスピード出てるっぽく見えなくもない。#トライアスロン #ロードバイク #ロードバイク乗りと繋がりたい #トライスーツ pic.twitter.com/XWwRtxSTnH
— Jin Yee 🏳️🌈 (@gogojinyee) June 16, 2022
ロードバイクの人気とともに、さっそうと風をきって走るローディーを見かけることも多くなりました。
ここでは、ロードバイク初心者が目標にするとよい速度の目安を見ていきましょう。
ロードバイクが出せる速度とは
ママチャリよりもはるかに速く走れるロードバイクですが、どのぐらいの速度が出せる乗り物なのでしょうか。
海外のプロレースでは、平地で時速45~55km程度、下り坂では時速100kmを超える場面を見かけます。
これはプロレーサーならではのことなので、一般人には到底真似できるものではありません。
ただし、ロードバイクの基本的な作りはプロ向けも一般向けもさほど変わりがないため、私たちが乗っているバイクでも、きちんと整備し、正しく乗れば出る可能性もあります。
自分がどれだけの速度を出せるかはさておき、ロードバイクは相当なスピードが出る乗り物であることを忘れないようにしましょう。
初心者の場合
初心者の場合は、まずはロードバイクを操るのに必死で、時速の確認どころではないという方も多いのではないでしょうか。
はじめのうちは速度よりも安全第一で走行することを心がけましょう。
しかし、公道での走行はあまりに遅いと逆に危険な場合もあるため、平地で時速20kmは出せるようにしておきたいところです。
ママチャリの平均速度は時速12~15km程度だと言われています。
それよりも少し速く、できれば時速25km程度で走ることができればまずは合格点と言えそうです。
上級者の場合
上級者になると脚力や走りのコツも身につき、長距離を楽に走れるようになってきます。
一般的には中級者で時速25~30km、上級者で時速30~40kmがライドの平均速度だと言われています。
初~中級者と上級者を分ける時によく言われるのが「時速30kmの壁」です。
慣れないうちは時速30kmを超えると急に空気抵抗が増し、疲労度もぐんと上がったように感じます。
時速25~30kmでの走行がキープできるようになれば、初心者卒業と考えてもよいでしょう。
初心者が速度を出せない理由
ロードバイクのツーリングなどでは、初心者がついて行けずに他のメンバーを待たせたり、初心者自身も苦しい思いをしたりといったこともよくあります。
初心者はなぜ速度が出ないのか、その理由を見ていきましょう。
ペダリングに力が入り過ぎている
自転車はペダルを踏んでギアを回し、その回転で動く乗り物です。
初心者によくある勘違いが、「力いっぱい重いギアを踏めばスピードが出る」というもの。
力を入れてペダリングをすると、はじめのうちは速度が出たような気がするのですが、徐々に脚への疲労がたまってバテてしまい、結果的に平均速度は遅くなってしまいます。
ペダリングに限らず、無駄な力を入れて乗るのは体に負荷がかかるだけでなく、いざという時の対応に遅れが出ることもあるため、力を抜くことを心がけましょう。
バイクが体に合っていない
自分の体に合わないロードバイクでは、どんなに頑張ってもスムーズに走ることは難しいでしょう。
ロードバイクのフレームサイズは細かいサイズ展開がされており、身長や手足の長さによってどのフレームが自分にマッチしているかが変わります。
大きすぎるフレームではハンドルやペダルが遠く、十分な力を自転車に伝えられません。
また、フレームが小さすぎる場合は手足を十分に伸ばせず、関節などを傷めてしまう危険性もあります。
他にも、サドルが合わないことによるお尻の痛みや、平坦向きのスプロケットセットで峠に行くなど、体や状況に合わないバイクでは、苦しい思いをするばかりです。
身体の小さな女性には、女性専用のモデルがありますので、検討しましょう。
ペダルに足を固定していない
スポーツ用の自転車では、ペダリング効率を上げるためにペダルに足を固定するのが一般的です。
ロードバイクではビンディング、競輪の世界ではトゥークリップとストラップを使って固定し、ペダルを踏む力だけでなく、引き上げる力も使って自転車を走らせます。
ペダルに足を固定していないと、踏む力だけでペダルを回すことになり、効率が悪いと言われていますが、落車の危険も伴うため、初心者のうちは必ずしも固定する必要はありません。
初心者が速度を上げるためのコツ
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— mizu (@mzk_cyc) June 12, 2022
ロードバイクは、ライダーのスキルや乗り方によってスピードに大きな差が出る乗り物です。
ここからは、初心者が速度を上げるためには、どのような点に注意すればよいのかを紹介します。
力まかせに走らない
気温や風など、自然環境に左右されることも多いロードバイクでは、無駄な力を使わずに走るのがポイントです。
特にペダリングは「軽いギアを使って、くるくる回す」ことで、脚の疲れも少なく、周りの流れに乗ったライドができるようになります。
脚の力だけでなく、体重をペダルに乗せてその重みで自転車を進めることで、効率的にバイクを走らせることができますよ。
長距離走行に慣れる
ロードバイクを始めたきっかけが「ロングライドに出たい」という初心者も多いのではないでしょうか。
体力温存だけでなく、「長い走行距離に慣れておく」ことも、ロングライド成功の秘訣です。
ロングライドでは1日に100km以上走ることも珍しくありませんが、いきなりは難しいため、はじめは10km程度のライドから始め、20km、30kmと徐々に距離を延ばすトレーニングがよいでしょう。
はじめのうちは筋肉痛などに悩まされるかもしれませんが、徐々に体の力も抜け、体力もついていつの間にか長距離を乗れるようになっていきますよ。
一定のペースで走る
ライドの後に「最初にはりきり過ぎて、後半でバテた」と語る初心者をよく見かけます。
ロードバイクでのツーリングは陸上の長距離走にも例えられ、一定のペースを守るほうが楽に走れると言われているのです。
初心者のうちは自分の感覚でペースをつかむのは難しいため、仲間にペースメーカーをお願いするか、サイクルコンピュータでスピードやケイデンス、心拍数を確認しながら走るとよいでしょう。
ライディングフォームを見直す
速く走るためには、自分に合ったバイクに正しいフォームで乗るのが一番の近道です。
フレームサイズ以外にも、フォームを調整する方法はたくさんあります。
・ハンドルの距離や角度(ステムを変更して調整)
・クランクの長さ(身長(センチ)をミリに変換した数が良いと言われている)
※165cmの場合、クランクは165mm
サドルからペダルまで足が垂直に下ろせること、ハンドルを持った時にヒジが適度に曲がることなど、正しいフォームに近づけることで、体への負担も減り、スピードアップにつながるでしょう。
サドルやステムなどのパーツは安価で手に入るものもありますので、思い切って交換するのも一つの方法です。
ショップに相談して正しいフォームで乗れているか、点検してもらうのもおすすめですよ。
ロードバイクの速度の種類
ここまでは、ロードバイクの速度を「時速」でお伝えしてきました。
実は、速度には「平均速度」と「巡航速度」の2種類があります。
それぞれの意味と違いについて理解しておきましょう。
平均速度
平均速度の算出方法は「走行距離(km)÷ 走行時間(h)」です。
さらに、「信号待ちなどの停車時間を含むか含まないか」によって、平均速度はネットとグロスの2種類に分かれます。
サイクルコンピュータ(サイコン)では、車輪の回転速度で時速を割り出すため、ロードバイクの平均速度は、停車時間を含まずに語られる(ネット平均速度)ことが多いのです。
一方、「走行距離(km)÷(到着時刻-出発時刻)」で割り出したものはグロス平均速度と呼ばれ、より実際の状況に近くなります。
ネット平均速度を元にツーリングの計画を立てると、予定の時刻に到着できないということになりかねないため、十分注意しましょう。
巡航速度
巡航速度は、以下のように定義されています。
巡航速度(じゅんこうそくど)とは、航空機や船舶、車両などの速度で、燃料の消費効率が最も良い状態で移動(巡航)できる値。通常時の移動に用いられる、経済速度。
出典:巡航速度 | Wikipedia
ロードバイクは人力で走るため、燃料の消費効率=体に負担なく走れる速度 と考えるのが自然です。
しかし、巡航速度の考え方は自転車に当てはまらないという意見もあるため、自分が出せる速度を聞かれた時は、平均速度(停車時間含む)で答えると誤解を与えずにすむでしょう。
ロードバイク初心者の速度目安のまとめ
ロードバイク初心者が目標にするとよい速度や、速く走れない原因とその対策について紹介しました。
上級者と一緒のツーリングでは「ついていけないかも」と不安になることもありますが、日頃の地道な練習や愛車のポジションを見直すことで、意外に速く走れるようになるものです。
レースでは速く走ることが求められますが、グルメライドや景色を楽しむツーリングは、速度はあまり気にする必要はないでしょう。
慣れるまでは速度にこだわらず、自分のペースで走ることを心がけてみてくださいね。
練習していくうちに体力もつき、乗り方のコツもつかんでスムーズに乗れるようになりますよ。